少額減価償却の特例改正で何が変わった?

query_builder 2026/09/16
著者:吉原邦彦税理士事務所
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MC:

今回は今年4月から適用されました少額減価償却資産の特例の改正点についてお話を伺っていきたいと思っております。

個人事業主や経営者にとってプラスの改正である一方で注意すべき点も多いということですのでぜひその点詳しくご解説をお願いいたします。




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減価償却の考え方

MC:

ではまず基本的なところになるんですが減価償却の考え方について教えていただいてもよろしいでしょうか?


吉原先生:

一定額以上の資産を購入した場合、設備投資も含めて一時にそれを経費化することによって、経費が増えますから赤字になる可能性が強いです。

実質的にはその資産も何年かに渡って使用できるのであれば法律上決められている耐用年数に応じて経費化をしていくという流れになるのが減価償却で、基本的には10万円以上のものを購入した場合という形になっています。


MC:

これと別で特例として、少額減価償却資産の特例というのがあるということですね。


吉原先生:

青色申告の特例として認められるもので、これまでは10〜30万円未満のものに対して設備投資なり資産を買った場合には一時的に経費化することができました。その法律が令和8年の3月31日までという規定でした。

4月1日以降は30万未満でなく40万未満でOKという改正になっております。

改正の背景と他の改正点

MC:

この改正の背景と他の改正点について教えてください。


吉原先生:

基本的には物価高というのが背景にあるのではないかなと思うんですけどね。

同じものを何年か前に買ったものと今買ったのでは当然値上がりしていることを考慮して上げているのかなという気はします。ちょっと性能のいいパソコンを買うと30万円を超えてしまう。

そういうのも一時的な減価償却法として経費化できるというのを考えているんじゃないかなという気がします。


MC:

変更点としては40万円未満に引き上げされたのとあとは対象となる企業の規模の要件が400人以下に変更されたということです。


吉原先生:

今まで500人以下だったんですが400人ということで中小企業の限定した従業員が多くないところに特化している制度にしたんだと思います。


MC:

今回の制度の適用期限というのは2029年の3月31日まで3年間ということです。


吉原先生:

その時の国の財政状況に応じてもまた変わってくるかもしれないですが、大体は延長されるんじゃないかなという気がします。またこれに代わるものができれば別ですけどね。


MC:

ただ改正点があった一方で変わってないのが上限が300万円というところ、ここは変更がないということですね。


吉原先生:

はい。

500万・600万となるとそれだけ一挙に経費化できちゃうというのはあまりにもよろしくないのかなという気がします。

今回の改正の注意点

MC:

今回の改正を受けての注意点を教えていただいてもよろしいでしょうか?


吉原先生:

3月31日と4月1日という改正時期の違いですね。

3月31日に30万円で買うと少額減価償却は使えません。

4月1日に30万円のものを買えば少額減価償却の対象になります。


MC:

同じ事業年度内でも購入した日付によって基準が変わるということですね。


吉原先生:

また、実際に会社の方で税抜経理されているのか税込経理されているのか、それによって額の判定が変わってくることもありますのでそこは確認した方が良いでしょう。

償却資産税の申告

MC:

あとは償却資産税の申告というのは特例を使ってもしなければいけませんか?


吉原先生:

そうですね、市役所に出す償却資産というのがあるんですけども1月1日現在保有している資産のところに計上しなければいけない場合もありますので詳しく見ていただければと思います。


MC:

少し話が逸れてしまうんですけどこの償却資産税っていうのは固定資産の中の一つっていう理解で良いですか?


吉原先生:

固定資産の一種ですね。固定資産税というのは市役所から通知がきますが通常は不動産ですね。土地や建物にかかる税金ですけども通常でいうと例えば車だと自動車税がかかっています。それ以外にかかっていない分かりやすいのは内装工事などにかかった費用など、こちらも何年間も使うのでそういうのは減価償却の資産になるんですけども、そういうものがあるとそれを市役所に1月末までに申告しないといけないものに入ります。

減価償却制度の使い分け

MC:

特例の制度が変わった後も年間で300万円の上限は変わらないということなんですけども複数の資産を購入する際は注意が必要だと思うんですけども、上限を超えた場合っていうのは減価償却の制度の使い分けで効果的に節税っていうのもできるんですか?


吉原先生:

基本的にはあまり300万円を超えるようなことはないのかなという気はしますけど超えた場合には一括償却資産という処理もあります。3年間で均等に償却していくというか経費化していくというやり方もありますのでそういう手段を使うことも一つの手かなという気がします。


MC:

確かに。300万円使い切るというのはなかなか...


吉原先生:

なかなかないような気がしますけどね。 私は見たことないです。


事業承継や相続で意識すること

MC:

では最後に吉原先生は終活アドバイザーの資格もお持ちですけれども、個人事業主や経営者の方がこうした高額な備品を揃える際に将来の事業承継だったり相続の観点で意識しておくべきことなどはありますか?


吉原先生:

非常に難しいところがあります。

ものって誰のものっていうのがはっきりしないのが一つありますよね。

例えば一番わかりやすいのが会社に絵画が飾ってあります。その絵画は誰のものかはっきりしないのがよくあるなと思っています。いわゆる社長さんの個人のものを会社が借りて飾っているという場合は社長さんの相続の場合には相続財産に入ってしまいます。土地や建物みたいに登記があるわけではないので、はっきりと誰のものかっていうのを区分けしておかないと良くないかなという気がしますし、相続財産から漏れる可能性もあるのでそれもちゃんと分けておかないといけません。

会社で飾ってあるのであれば会社に寄贈したことにしちゃった方がはっきりするかなという気がしますけどね。

だから他の資産を買った時も家庭用を買うとかいう場合にはそこにお住まいのご家族のものかもしれませんけども評価は非常に難しいですね。継続して生活されればそのまま使うでしょうし、それを売って評価になるのかというとなかなか難しいでしょうね。

先ほど言った絵画や骨董品とかいうのは誰のものかっていうのははっきりしておいたほうがいいですね。


MC:

帳簿上の価値がゼロでも、また相続とかだと評価が全く別ってことですね。


吉原先生:

骨董品や絵画もそうですけど評価する方によっても値段が違ってきますから一概には言えないですよ。絵画のちゃんとしたやつは美術年鑑に出てるのであれでしょうけど骨董品なんかは違うでしょうね。


MC:

今回の改正で40万円未満まで即時経費化できるようになったことでより柔軟な設備投資が可能になりましたが、経理上の注意点なども多いということですので、不安な方は一度吉原先生へご相談いただければと思います。




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