役員報酬は高くすべき?低くすべき?税理士が教える「会社と社長」正しいお金の残し方

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著者:吉原邦彦税理士事務所
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MC:

今回は役員報酬はいくらに設定すべきかというテーマでお話を伺っていきます。

税金を抑えるために低くした方がいいという意見もあれば、できるだけ多く取った方がいいという意見もあって結局どうすればいいのか悩んでいる方も多いのではないかなと思います。会社設定時のルールから会社と社長どちらにお金を残すべきかという戦略まで解説いただきます。




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役員報酬と給与の違い

MC:

そもそも役員報酬は普通の従業員がいただく給与と何が違うのでしょうか?


吉原先生:

役員報酬の場合、対象となるのは取締役や監査役などいわゆる経営に従事している方々に対して出されるものです。

給与は社員やアルバイト・パートなども含めて従業員の方に支払われるものです。

役員報酬については株主総会または取締役会の決議によって決められることになっています。

給与については雇用契約や就業規則に基づいて決められます。

金額の変更に関しては給与は随時変更可能です。当然残業代などありますし、特別な仕事をしたので特別給与を出すという場合もありますので原則的に自由です。役員報酬は通常は決算終了した後、2ヶ月または3ヶ月以内に株主総会・取締役会を開いていただいてそこで金額を決定します。それも前期の収支状況に応じて決めてもらうことになります。期中にその金額を変えることによって利益がいっぱい出ていたので役員報酬を増やそうかということは認められていません。基本的に変更不可です。赤字の時に報酬を減らすということは認められていますがそれ以外はダメということになっています。


MC:

逆に社長個人でお金がもっと欲しいから役員報酬を増やそうみたいなのは簡単にできないってことですか?


吉原先生:

その場合は会社から借り入れることになります。会社から見ると貸付金、社長から見ると借入金になります。

適正な金額と注意点

MC:

この役員報酬は実際いくらに設定するのが適正なんでしょうか?

また決める際に注意すべき点などあれば教えてください。


吉原先生:

基準というものはないですね。

基本的には会社の収支状況に応じて、役員報酬が多くなることによって会社が回らなくなることもありますので、当然役員報酬に伴って社会保険も会社の方で負担することになるため、そのあたりを加味しながら役員さんが手取りにしてどのくらいもらった方がいいのかというところとの兼ね合いだと思います。

調べたところによると、資本金2,000万円未満で平均で約600万円程の役員報酬が出ているようですけども、ある意味600万円って多いですよね。

単純に資本金では決められないので、売上状況がどうで利益がどのくらいあって600万円という数字が出ているのかわからないですけどね。

低くするか、高くするか

MC:

では一番最初にお伝えしたんですけれども会社にお金を残した方がいい、銀行評価を上げるために役員報酬は低く抑えるべきだという意見と役員報酬は高く設定して個人にお金を出すべきだという説があります。

吉原先生の見解を教えていただけますでしょうか?


吉原先生:

どちらにも偏らない平均的な判断がいいのではと思います。

会社に残しすぎても困りますし、個人にいきすぎても個人は個人で先ほど言ったお給料をもらうことによって社会保険だけじゃなくて所得税、住民税等々増えてきますから一概に役員報酬を増やせばいいというものではないかなという気がします。そこも加味したところで決めた方がいいと思います。


MC:

会社にお金を残した方がいい、役員報酬を抑えた方がいいという方の意見としては税金面で個人の所得税の方が税率が高いからということですが...?


吉原先生:

実効税率は所得税の方が高いですね。累進課税をとっていますので法人の方が低いんですけども、今度法人税の方が法人の方の税金と法人税がかかってくるのでそちらとの見合いですね。


MC:

先ほどおっしゃっていただいたようにいくら利益が出てるかによっても全然変わってくるっていう話ですよね。


吉原先生:

はっきり言うとそういうのを加味しないで経営できるような会社がいいですよね。

営利企業ですから利益を生じるための仕事をしていて利益が出れば税金を納めるというスタンスでやっていただければ、あまり細かいことを気にせず。


MC:

まずはしっかり利益を出すというところですね。

役員報酬と銀行融資

MC:

会社にお金を残した方が銀行融資で有利という意見がありますがこれは本当なんでしょうか?


吉原先生:

見方としてはそういう見方もあるかもしれません。

銀行の場合どうなるか分かりませんが、銀行員の方によっても違いますし、統一的な見解があるのかもしれませんけども、資産があるというところが大きいかというとそうでもないかもしれない。いろんな観点で見てらっしゃいますから。

私が気にするのは毎月の粗利がどれだけあるかですね。返済能力がどれだけあるかっていうのを見たいなっていう気がしますけどね。

一時的に利益が上がるのではなく、毎月定期的にいくらかの利益があった方が返済能力としては見えてくるのでその方が有利かと思います。


MC:

銀行としても役員報酬をわざと低くして残しているなどは分かるものなんですか?


吉原先生:

最低賃金など年金・社会保険上の金額の一番少ない額にしてるなどというセーブをしているのであれば分かるでしょうけども、逆に役員報酬を減らすことによって先ほど言った役員に対する貸付金が出ると銀行は嫌がりますよね。

役員に貸してるお金があるんだったら借りる必要ないでしょうっていう。


MC:

あくまでも総合的に見る中の一つのポイントということですかね。

やってしまいがちなNG例

MC:

吉原先生は税務署長も勤めていらっしゃいましたけれども、税務調査で目がつけられやすい、やってしまいがちなNG例などありますか?


吉原先生:

あまり役員報酬はないかもしれないですね。

役員報酬は先ほど言った株主総会の議事録を変更した場合ちゃんと残しておかないといけません。

また役員賞与というのが別にありますよね。役員賞与の場合は事前届出というものを株主総会が終わった3ヶ月以内に別に税務署側に出さなければいけません。それを漏らしている、ちゃんと手続きを踏んでいないなどとならないよう注意しましょう。

これは考え方ですけど、先ほど言った営利企業なのに、赤字を目指してやってるかっていう世界になってくるんですね。

役員報酬を増やして赤字を目指すっていうのは、ちょっと違うんじゃないかなという気がします。

前期の収益を見て、これだったら今までの役員報酬より増やした方がいいでしょっていうのが論理だと思うんですよね。赤字なのに増やしていくっていうのは本来おかしい。中にはいろいろ意図がある方もいますけどね。住宅を買うために所得を増やしたいという方もいらっしゃるようですけども、あまり意図的にやるとあまりよろしくないかなという気がします。

おすすめの方法

MC:

結局のところ個人の手取りを最大化しつつ会社の税金も抑えられたらそれが一番いいかなと思うんですけれども、そのための何か賢いやり方などおすすめの方法はありますか?


吉原先生:

役員報酬をいくらにしたときに社長や役員の負担になるものがいくらで会社の負担になるものがいくらかをシミュレーション的にやっていただくのが一番いいかもしれません。

役員報酬は基本的にあまり端数はないですので例えば100万・110万・120万というような形でやっていけばそれでシミュレーションができると思います。


MC:

その上でもしそういった節税の使える制度などあれば使っていくというような形ですね。


吉原先生:

給料ですから役員報酬も給料も一緒ですが、消費税の影響はないので消費税は消費税として払わなきゃいけないっていう前提の上で前期のケースを見て役員報酬だけ変えた場合にどうなるかっていうことはできると思うんですね。


MC:

役員報酬はいくらに設定すべきというところではなく、まず一人一人生活でいくら必要なのかと会社の利益がどれくらいかっていうところのバランスを見ていくっていうところですね。


吉原先生:

難しいのは役員というのは実績ではないわけですよ。

もともと委任規定なんで、やってもらうという世界なのでそれに対して報酬として渡すというイメージなのでちょっと難しいところがありますけどね。

一概によくやってるからプラスしたいというわけにはいかないんですけどね。


MC:

ただ税金を減らしたいから高くする低くするという考え方で決めるのではなく、いくら必要なのかという手取りのところから逆算して無理のない適正な額というのを設定することが非常に大切だなと思いました。

会社設立を検討されている方、税務・会計でお悩みの方はぜひ吉原先生にご相談ください。




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